だんじり祭りのだんじりの意味、語源は何か

だんじり祭り
だんじり祭り

だんじり祭りの意味、語源は何か。

だんじりとは、関西で祭礼の時に引く山車(だし)を意味する方言のことです。

屋台をじりじりと動かすことから、「台ずり」が変化したとか、「祭場」を意味している「壇」を引きずったことから「だんじり」になったとする説などがいくつかあります。

私は、ずっと前から、いつか一度はだんじり祭りを見たいと思っていました。

その機会が訪れ、2022年の9月に大阪、岸和田のだんじり祭りを見に行きました。

1 だんじり祭りの意味

だんじり祭りは五穀豊穣を願って江戸時代から300年以上も続いてきた祭です。

岸和田御宮(現在の岸城神社)と三の丸稲荷社の祭礼の際、岸和田城下の町人たちが、軽い小さなひきだんじりを作り、その上に飾り物を乗せて曳航したのが始まりだと言われています。

各地域から約34基が参加します。

大工方がだんじりの屋根に乗って後ろで押す人に団扇(うちわ)で合図を送ります。

だんじりの屋根に乗る人を大工方と言う。大工が乗るから大工方という。

昔だんじりを引くときに後ろの人が前方が見えないから、屋根の上で指示を出してくれ、でもどうせ乗るなら高い所に慣れている人がいい、それなら大工さんがいいということになった。

昔の大工は家を建てる時に高い所、屋根の上で作業したからだ。大工方とはその名残である。

だんじり祭りは9月17日は宵宮、18日は本宮と言われている。

さて、宵宮の日に電車を乗り継いで岸和田駅に降りた。17時頃だった。

駅の改札を抜けると人だかりが出来ていた。

人だかりの後ろから10分程待つと太鼓、笛、鐘の音が響いてきた。

「そーりゃ」の掛け声とともにだんじりを引く数十人の人が綱を持って歩いてきた。

ひときわ大きい「ピピー」という笛とともに引き手がダッシュして観客の前方を駆け抜ける。

屋根の上に乗った人は団扇を両手で広げて扇ぎながら屋根の上で何度もジャンプする。

人々の歓声が上がる。心を奪われた。何と勇壮な姿だろう。

1回見ただけででファンになった。

屋根の上でジャンプしている人は命がけである。落ちたら軽いケガではすまないだろう。

曳き手の中にも小学生の子も女の子もいる。ダッシュした時に転んだらどうするのだろう。

この危険合わせのハラハラさせられる熱い祭り。だからみんなを虜にする理由なのだと思った。

でも、事故けがのないように終わってほしい。

これは、試験曳き、リハーサルのようなものか。

明日の本宮を前にした曳き手の初めての緊張感もひしひしと伝わり、観客の心に伝わったのだろう。

3基ほどだんじりが通り過ぎ、一旦終了した。

2 宵宮 灯入れ曳行

宵宮、灯入れ曳航
宵宮、灯入れ曳航

宵宮とは前夜祭のようなものである。

駅前のアーケードを抜けて歩いていると、ところどころにいくつものだんじりが止まっていた。

祭のスタッフのテントがあり、祭りのスケジュールのパンフレットを配っていた。

それを見て、夜になると灯入れ曳行(ひいれえいこう)という祭事が駅の近くで見られるということを知った。

18時半ばを過ぎ、夕暮れになってきたので駅の方に向かった。

たくさんの夜店の屋台が目に入った。

しかし、この屋台は何という数だ。どこまで続くのだろう。距離にして400mは軽くあるだろう。

この屋台の多さのはびっくりする。約300店あるという。だんじりの屋台数は日本一多いとのことだ。

昔、秩父祭に行った時に、多くの屋台を見てびっくりしたことがあったが、それ以上だ。

最近の祭りの縁日では金魚すくいも見かけなくなったが、金魚すくいの屋台も多く見かけた。

輪投げ、射的、うなぎ釣りもあった。めずらしいし、懐かしい。

いつになくワクワクと心が躍った。

19時少し前になったので、駅近くの交差点前に待機した。

いつしかまわりが暗くなり、ほどなくして、だんじりが現れた。

太鼓と鐘の音とともに提灯を山車のまわりに設置した、だんじりである。

暗がりの中、だんじりに付けた提灯の灯りが幻想的である。

これが灯入れ曳行である。

ゆっくりと山車が目の前を通って行く。何基も通っていく。

心が安らいでいく。

一生の思い出の一つになる一瞬だと感じた。

岸和田城
岸和田城

3 本宮

翌日。

今日は、9時からだんじり曳航、本宮祭りがある。

8時頃、岸和田駅の隣の駅、蛸地蔵駅で降りた。

岸和田市役所の前の坂道、「こなから坂」を目指す。

そこは、だんじりが駆け上がる時の有名な見所スポット一つだ。

「こなから坂」とは、漢字で書くと小半坂、4分の1の勾配の坂道という意味だそうだ。

蛸地蔵駅から7~8分歩くと、岸和田城が見えてきた。

美しく、存在感が圧倒的で目を奪われた。

もっと見ていたい、中に入れるのか、と思い、後ろ髪を引かれたが、あきらめよう。

いつかゆっくり見たいものだ。

9時前に「こなから坂」に着くと既に大勢の人が場所取りをして集まっていた。

一番いい場所は報道陣が陣取っている。

市役所入口付近に少しスペースがあったのでそこで待機することにした。

ワクワクする時間である。

が、なかなか来ない。

30分程待つと先頭のだんじりが坂の下に見えた。

こなから坂を一気に駆け上がって岸和田城に向かって「やりまわし」を行った。

「やりまわし」とは、勢いを落とさずに直角の交差点や街角をほぼ90度でまわるということだ。

雄壮な岸和田城をバックに「やりまわし」が行われる。迫力満点だ。

だんじりの疾走を何基も見て、心が熱くなった瞬間だった。

4 「こなから坂」までのアクセス

新大阪からは御堂筋線で「なんば」まで行き、南海線に乗り換えて「岸和田駅」で降ります。

岸和田城を見たい方は、南海線の「蛸地蔵駅」で降りてもいいでしょう。

「こなから坂」までは「岸和田駅」でも「蛸地蔵駅」どちらでも800m弱、徒歩9分位です。

日時によりもっと早い電車の行き方もありますので、ご確認ください。

宵宮の時は、「岸和田駅」下車。本宮の時は、「蛸地蔵駅」下車がおすすめです。

それではいい旅を! Have a good trip !

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